海からのぼる朝日が美しく、海人が多く住む集落。
伝統芸能である棒術が盛んなことでも有名。
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潮風を感じ
海とともに豊かに生きる
海岸にそった集落の風景
島尻集落は海との距離が近く、海人や釣りを楽しむ人が多い。集落前の海では無人の竿を見かけることがある。
持ち主がいなくても、魚がかかっていたら通りがかりの人が竿をあげて魚を持ち主のところまで持っていく風景は島尻ならでは。
伊平屋漁港(島尻漁港)
朝8時頃に行くと水揚げの様子が見られる。
様々な魚種がいるので見るだけでも楽しいが、島の人から魚の名前を教えてもらったり、食べ方を教えてもらったりするのも楽しい。
イーヌカー
上の川
集落の上にある井戸。井戸の水は集落内までひかれており、お茶をわかすときや農作業に使われている。
また、伊平屋酒造所の泡盛はイーヌカ-の水を割水として使用している。
島尻の神アシアゲ
観音堂集落のほぼ中心に位置する。かつてノロ(神女)が神行事を行った場所。「アシアゲ」と表記するが「アシャギ」と発音することが多い。今でも神アシアゲのある殿内では豊年祭のときに踊りや棒術を奉納する
観音堂
島尻集落の海の神様。目の前の県道179号線がかつての海岸線。
毎年1月2日には漁業関係者が集まって大漁祈願を行う。
人からお願いされたら、何でも、仕事してても行きます
もろみ まさとみ
諸見 正富さん
かつて島尻区長を16年間も務めた頼れる方。朝早くから日が暮れるまで一生懸命働き、携帯電話を持たず、一日中、畑を点々として仕事をしているため家族でさえも島尻共同売店で扱う島ならではの食材たち 所在が分からないことで有名。
働き者で有名な諸見正富さんは、朝早くから夕方遅くまで畑仕事に精を出す。
「働くことが好き。辛いとか思わない。仕事は朝出て、野菜畑行って眺めて、実がいっぱいついたり、葉っぱが茂ったりするとお家にいられないのに。
できたら嬉しくなる。」時季に合わせて考えながら野菜を作ればきちんと収穫できると教えてくれる。
「今これ植えたら虫がつかないって、そういうものから順序よく植えていく。こういったことは自分で勉強する。自分でしないと人は教えないさぁ。」
諸見さんの畑を見た人は野菜の成長ぶりにびっくりする。
「(通りがかった人が)『あっきぃよー(※1)、こんなにいっぱいゴーヤー(※2)!ナーベラー(※3)からいっぱいなってるさぁ!』って。
だから孫なんか娘なんかにみんなあげて、また道歩いてる人にもあげるんだよ。
スーパー(島尻共同売店)にも出して残りは人にあげたりしてる。」自慢の野菜はたくさんの人のお腹を満たしている。
かつては島尻区長も務めた。イーヌカー(※4)の水を集落内までひくことも区長時代にやったこと。
「年寄りなんかは向こうまで行けないさぁ。だから近くにこうして(水をひいて蛇口を)つけてるわけよ。野菜(作り)に利用している人もたくさんいるわけさ。」
諸見さんらしい気配りを見せる。
若い頃から農業、漁業、運送業、魚の行商など様々な仕事をこなしてきた。グアムで漁船の船長を務めたこともある。
働き者で丁寧な仕事をする諸見さんは集落の人から頼られることも多い。
「(集落の人たちに頼られるのは)仕事ではないけど、お願いされたらしなければいけないさぁ。
人からお願いされたら、何でも、(自分の)仕事しててもいきます。」
自分たちの住む地域を守り、伝えていくことはどういうことなのか…。諸見さんの背中が教えてくれる。
※1 感歎詞。驚いたときに使う。
※2 ニガウリのこと。
※3 ヘチマのこと。沖縄ではヘチマを日常的に食べる。
※4 上記参照